「容器包装に係わる分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」が施行されて資源として回収されているが、自治体は資源ゴミを洗浄するように指導しており、新たな水使用が発生し、排水負荷も増加している。また、包装容器の汚れなどの洗浄に湯が使用され、エネルギー消費も発生している。本研究ではこれまで、アンケートにより資源ゴミ洗浄の実態を明らかにし、資源ゴミの洗浄実験等(冬期及び夏期)から、住宅における資源ゴミの洗浄により発生する新たなエネルギー消費、水使用負荷を明らかにした。 平成26年度には、金沢市民を対象に、新たにつけ置き洗いに関するアンケートを行い、つけ置き洗いを想定した資源ゴミ洗浄の被験者実験を行った。/60.3%がつけ置き洗浄をしている/つけ置き洗浄時の湯使用は74.3%(冬期)、36.7%(夏期)であった。 平成27年度はつけ置き洗浄に関するアンケートから実態を明らかにし、また、つけ置き洗浄を想定した被験者実験結果の解析から水使用負荷、エネルギー消費量を明らかにして、空気調和・衛生工学会で発表した。さらに年度末に食品会社のヒヤリングを行った。/39.4%の住宅にはゴミの保管場所がなく、回収の頻度と保管場所の有無が、貴重な資源の廃棄につながっている。 平成28年度は成果の公開を研究目的にしており、これまでの行ったアンケートおよび被験者実験の結果を補完し再確認するためのアンケートを行い、アンケート結果とこれまでの成果である、水使用量等の原単位、包装容器毎の内容物の残渣量と洗浄水量から求めた洗浄排水の水質測定結果の一部を空気調和・衛生工学会、new環境展、エコプロダクツ2017で発表した。/資源ゴミを洗浄するかどうかの主な判断基準は汚れの付着(60.1%)、容器形状(30.3%)であった/つけ置きする理由は、落ちやすくなる(71.6%)、手間を省く、節約(10.5%)であった。
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