本研究では、いまなおぜい弱な道路基盤を持つ地域を抱える東京都杉並区を対象に、警視庁告示積極的建築線指定図、1933年の東京都市計画街路網図、1961年の都市計画街路再検討図の3種類の図面を用いて、これまで計画されてきた道路ネットワークの状況の評価を行う。加えて、特定行政庁にアンケート調査を行い、実務上における細街路整備の実態と課題についても把握する。 その結果、1961年に細道路網がほとんど廃止されたことが、杉並区における特に南北方向の道路網の形成に影響を与えたこと、特定行政庁は狭隘道路の取り扱いについて、現在でも課題を抱えていることが明らかとなった。
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