土地取得事業の導入に始まったインフォーマル社会におけるフォーマル化の進展は、非正規から正規居住者となった者には、それまで蓄積されたコミュニティの社会関係資本は、経済的、社会的、制度的に安心・安全な生活の提供につながるが、事業からこぼれ落ちる者には、社会関係資本はコミュニティからの排除という「負」の働きをすることが本研究で見て取れた。 本研究は、スラム・スクォッター地域開発のモデルケースとして世界から注目されてきたセブ市のバランガイ・ルスの25年経った今現在も決着しない土地取得事業とその間の社会関係資本蓄積の行方を明らかにした。
|