研究実績の概要(28年度) 本研究は北海道開拓での殖民区画制度に影響を及ぼしたタウンシップ制度等によるアメリカ合衆国の中西部開拓の計画論と開拓の展開過程をさぐり、我が国の開拓事業への影響を明らかにするものである。アメリカ中西部での現地調査から、市街地形成について北海道の市街地形成と共通する認識を得て、北海道での明治期の開拓事業の中での市街地形成を分析した論文を投稿し、「北海道開拓期における市街地形成の計画原理」(単著、査読、日本建築学会計画系論文集No.725、平成28年7月)として掲載された。また、アメリカ合衆国の中西部開拓と農村地域づくりの研究に関連して、我が国の農漁村形成と地域づくり事例の研究として、4月に徳島県美波町、10月に岐阜県中津川市の農村地域調査を行った。その成果として平成28年8月に本建築学会計画系論文集に「小規模漁業集落における地域づくりの展開~徳島県美波町伊座利地区での取り組み~」(共著、査読)を投稿、査読中である。 現在までの進捗状況と今後の研究の推進方策等 現在までの進捗状況はほぼ計画どおりで、順調に来ている。主な現地調査では26年アメリカ中西部での調査、平成27年の北海道での開拓期の調査を行い、 またタウンシップ制度や殖民区画制度の関連文献について資料収集作業をから、 20点以上の興味深い資料を収集することができている。調査の分析作業を兼ねた論文では「タウンシップとメインストリート-アメリカ中西部開拓調査の旅から-」(岐阜市立女子短期大学紀要第64輯、平成27年3月)の成果をあげている。現地調査データや文献資料の分析を行い、アメリカの中西部開拓でのタウンシップについて、誕生の経緯、計画の内容と変遷、実際の開拓地での計画の施行と開拓の進展過程をさぐり、計画原理を明らかにする論文を現在執筆中であり、平成29年6月に日本建築学会計画系論文集に投稿予定である。
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