調査が遅れていた富山県滑川の町家外観形成を約40軒近く調査した。屋根形状・軒先廻りのデイテールの相違等を詳細に実測した。屋根形状では登り梁構法が21軒・たるき構法が15軒・梁出し構法が3軒見られた。半数以上が登り梁構法で占められていた。 また、半数以上にウダツが取りついている町家も確認できた。 軒先廻りの実測では、腕木間隔の80%が@1820㎜間隔で占められていること、他、@1650%間隔が8%その他4%と三種類の間隔で構成されていることが捉えられた。腕木断面寸法は、120×135~120×300㎜までの断面寸法が48%と半数近くを占めていた。少数ではあるが幅の狭い寸法も確認できた。たるき間隔は@1820㎜の三分割の@606から一番狭い間隔の170㎜まで13種類確認できた。そのなかでも@1820㎜の8分割の@227.5㎜が30%程度占めていた。また、たるき寸法は一番細い36×45㎜から太い75×78㎜までの6種類に分類できた。45×54㎜~45×60㎜が約29%、それよりも太い54×60㎜~54×75㎜が約26%と、この二種類で過半数を占めていた。 その他、軒先の先端笠木に塗装(白色)が施されていること。また、たるき小口に銅版がまかれている軒先も確認できた。 内部の空間構成についての実測については4軒ほど行った。通りドマが改修された事例も見られたが全体の間取りは、改装前平面図に復元作業が可能であり作業を行っている。内部分析も行っている。9月の日本建築学会大会で論文発表報告を行う予定である。
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