本年度は、第一に、鳥取県において、近世期の鳥取藩御蔵所の遺構、史料調査を行った。鳥取藩御蔵所は、①城などの都市部における御蔵所8ヶ所、②「灘御蔵」と呼ばれる日本海沿岸部における御蔵所9ヶ所、③年貢の銀納地域・内陸部における御蔵所2ヶ所以上に大別できた。②については、橋津御蔵所の一部の蔵が現存しており、県立博物館所蔵の鳥取藩政資料に各「灘御蔵」の見取図が確認できたので、史料、文献をもとに検討し、論文Aとして日本建築学会論文集へ投稿した(審査中)。①については、遺構は見られなかったが、確認できた見取図や城絵図及び史料、文献をもとに検討し、論文Bにまとめた(上記の審査の結果を待って投稿予定)。③については、御蔵所の実態が知られる史料は見られなかった。 第二に、豪雪地帯の北陸地方、加賀藩御蔵所について検討し、論文C、Dを作成し、日本建築学会論文集へ発表した(論文Dは審査中)。
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