本研究の目的は,戦前期に台湾で建設された44カ所の全ての製糖工場と社宅街を対象として,製糖工場と社宅街の建設とその後が,周囲の街や集落に与えた影響を明らかにすることであった。そのためにまず,製糖工場と社宅街を対象とした空中写真と旧版地図の系統的かつ網羅的な収集を行い,44ヵ所全ての地図集を作製することができた。次いで,製糖工場と社宅街の復元配置図作製のための各種資料の収集を進めたが,資料の制約から,配置図の復元作業は難航した。そこで,打開策として,これまでの研究成果の整理を改めて行った。また,資料収集の過程で新たに見出した台湾や樺太の火災保険特殊地図の詳細な内容を検討した。
|