研究成果は四つの部分からなる。まず、戦前日本人研究者による満洲の都市、建築調査の対象となった歴史的建造物を現地で再調査し、その史料価値を確認した上に、データベース化し、体系化した。二つ目は、個別の調査報告や論考を総合的に検証して、劇場建築類型と都城といった具体的な研究対象を通して、北東アジア都市史と建築史の特質を明らかにした。三つ目は、日本と中国の専門家を一堂とする「東アジア建築史・都市史を構築する円卓会議」を3回に渡って企画、運営し、北東アジア建築史・都市史を構築する概念、方法と内容について検討した。最後に、歴史建造物のデータベースを地元に還元し、今後の修理、修復に役に立つことが期待できる。
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