ライトの住宅の変容過程を明らかにするために,独自のダイアグラムを用いた第1黄金時代のプレイリー・ハウスの8つの型が指摘され,各型間の同一性と差異の考察によって,プレイリー・ハウスの生成過程の全体像が明らかにされた。また同一型内の個別住宅作品間の同一性と差異が「ヒコックス」型において考察された。次いで両黄金時代に挟まれた期間の住宅のDとKとの繋がりをたどり,第2黄金時代のユーソニアン・ハウスの構成の要となるワークスペースの成立過程が明らかにされた。最終的にプレイリー・ハウスとユーソニアン・ハウスの変容の鍵となる住宅が明らかにされ,建築思想の変容との関わりから作品の変容過程の意味が考察された。
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