本研究の目的は、Fe中におけるBの固溶限や拡散係数を実験的に決定し、Bを活用した鉄鋼材料設計に資することである。拡散対実験により長距離拡散させたFe中のB濃度プロファイルをrf-GDOESで計測し、プロファイルを解析する事で固溶限を決定した。鉄鋼標準試料を用いてrf-GDOESによるBの定量性を評価した結果、検出限界と定量下限はそれぞれ1.7 wt.ppm、3.3 wt.ppmであった。γ相が安定な950℃から1050℃の温度域でBの固溶限は20 wt.ppmから40 wt.ppm程度であった。γ-Fe中におけるBの拡散は極めて早く、Bは格子間を拡散することが示唆された。
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