研究課題/領域番号 |
26420671
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
加藤 丈晴 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (90399600)
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研究分担者 |
横江 大作 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, その他 (20590079)
吉田 竜視 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, その他 (50595725)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | FIB / 界面構造解析 / 半導体的性質 |
研究実績の概要 |
集束イオンビーム(FIB)法によるTEM観察用試料薄片化では、加速電圧数10 kVのガリウム(Ga)イオンにより試料表面へダメージ層が形成され、詳細な透過型電子顕微鏡(TEM)観察に支障になることがある。そのため、加速電圧1kV以下のアルゴン(Ar)イオンによりFIBダメージ層を除去することが必須である。このFIB加工技術を高圧接合により作製された窒化ホウ素(BN)/ダイヤモンド(c)サンプルについて、BN/C界面を含むようにTEM平面観察試料とTEM断面観察試料を作製した。FIBによる最終薄片化条件は、Gaイオンビームのデュウェルタイムを10μsとし、Arイオンビームは加速電圧1 kVから開始し、最終的に0.5 kVで仕上げ加工を行った。以上のように仕上げた試料について、BN/C界面のTEM平面観察およびTEM断面観察を行った。BNとCの接合は(0001)面で接合しており、(0001)BN//(0001)Cおよび、(1-210)BN//(1-210)Cの結晶学的方位関係を有していた。TEM平面観察からBN/C界面の明瞭な転位ネットワークを観察することができた。また、TEM断面観察によりBN/C接合面の原子配列を明らかにすることができた。さらに、TEM観察から明らかになった原子配列を元に、第一原理計算を行ったところ、BN/C界面での半導体的性質発現の可能性を示唆する解析結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
極めて硬い材料である窒化ホウ素/ダイヤモンドについて、TEM平面サンプル、TEM断面サンプル作製に成功し、界面の欠陥構造および原子配列を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
第一原理計算から導かれた窒化ホウ素/ダイヤモンド界面の半導体的特性を明らかにするため、電子線ホログラフィー観察、電子損失分光分析を実施し、ショットキー障壁、結合状態を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費が想定よりも少額で納まった。また、謝金については研究補助員費用を予定していたが、特に研究補助の必要が無かった。そのため、19万円ほど予算を繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
H27年度は計画どうりに使用予定である。
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