研究課題/領域番号 |
26420696
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐々木 朋裕 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40432067)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 超音波接合 / 金属接合 / 固相接合 / 界面接合 / 相対運動 |
研究実績の概要 |
本研究では,金属材料の固相接合法の一種である超音波接合を対象として,接合現象の動的な運動解析と材料科学的アプローチによる微細組織評価から接合メカニズムの根本的な理解を図ることを目的としている.超音波接合では,その接合方法から接合対象となる材料同士の接合界面,ならびに接合材と接触する工具と接合材の間の界面挙動が接合部の形成に重要な役割を果たしていると考えられる.多くの研究者らによって報告されているように,接合界面に介在する酸化被膜の破壊や排出といった微視的現象は固相接合における重要なプロセスである.また,このような酸化皮膜は工具/接合材界面にも存在し,巨視的な接合過程に影響を与えていると考えられる.さらに,これまでの研究で,接合工具と接合材の相対運動は接合材の塑性流動を引き起こし,撹拌効果よって接合部が形成されることがわかった.接合材と接触する工具の表面形状は塑性流動の発生にかかわる重要な因子であると考えられる.以上の観点から,特に,平成27年度は,2つの界面挙動に密接に関わる接合工具の表面形状,および接合材表面の介在物が接合過程に及ぼす影響を調べた.実験は,平成26年度に開発した解析手法を用いて行った.その結果,超音波接合における継手強度は工具表面に加工された突起形状に大きく依存することが分かった.工具による被接合材の摩擦攪拌を誘発させるため,表面を鋸歯状に加工した工具を用いることで,継手強度が改善されることを明らかとした.また,この原因は,工具と被接合材の相対運動の促進効果によるものであることが示唆された.さらに,被接合同士の界面挙動に関する実験では,接合界面に酸化被膜や潤滑剤を介在させて初期接合部を局在化させることで,被接合材同士の相対運動,および塑性流動による接合部の成長を促進させる効果が得られることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究成果は,国内会議,国際会議,さらには投稿論文として発表している.また,次年度の研究も一部開始している.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き界面運動に着目した,接合メカニズムの解明のための実験を行う.また,平成28年度は最終年度となるため,これまでの研究成果をまとめて投稿論文として発表する予定である.
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