研究実績の概要 |
エマルションで安定化された粒子にミクロ粒子が衝突する効果を、気-pH2水溶液界面におけるTiO2粒子のラングミュア膜と液相中のカンチレバーに装着したTiO2粒子(プローブ)を用いて検討した。直径が75 nm, 300 nm, 3000 nm および 10000 nm のTiO2粒子を用い、界面の物理的特性に及ぼす大きさの影響を評価した。Monolayer Particle Interaction Apparatus を用いて、粒子膜の表面圧-面積等温線を測定した。同時に、衝突粒子として働く液相中のTiO2粒子(直径3000 nm)を用いて、様々な表面圧時の粒子膜との間に働く力を測定した。粒子膜とプローブ間の付着力は表面圧の増加に伴い減少した。pH2水溶液中ではTiO2粒子が正に帯電していることを考えると、この結果は水溶液表面をカバーする粒子の割合の増加は電荷密度の増加につながり、結果として反発力を増加させたためと説明できる。直径が3000 nmよりも小さな粒子に対しては、粒子膜の堅さは表面圧の増加に伴い減少する傾向を示した。このことは表面圧の増加に伴う界面張力の現象により合理的に説明される。しかし、直径10000 nmの粒子については、表面圧の増加に伴い堅さも増加した。 この結果は、気-水界面に密に充填された大きな粒子間に働く強い毛管力により説明される。
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