バルク液相から柔らかい界面への粒子吸着を引き起こす相互作用力とそのメカニズムの解明を試みた。具体的には、まず始めに、液相中にある粒子と気―液界面に存在する粒子間に働く相互作用を解明し、続いて、気―液界面での粒子密度が、液相からの粒子吸着に及ぼす影響を明らかにするとともに、系全体の物理的特性を解明することを試みた。
結果として、気-水液界面に存在する、お互い物理的に固定されていない単層粒子膜の堅さは、粒子の大きさや疎水性が増加するとともに増加させることができる。しかしながら、気-水溶液界面における単層粒子膜の堅さは、水相から粒子が衝突すると低下する。この低下は、単粒子膜中を形成する粒子は、(水相から)粒子が衝突すると横方向に移動することにより誘起される。本研究では、以下の状況下であれば、粒子が衝突したとしても気-水溶液界面における単層粒子膜の堅さは高い状態で保たれることを見いだした。すなわち、(1)気-水界面における高分子粒子膜に高分子が添加されたとき、あるいは(2) 気-水界面における高分子粒子膜中の粒子と架橋剤を用いて架橋したときである。粒子膜の堅さは添加高分子量、および高分子粒子間の架橋の程度により制御できることも見いだした。すなわち、気-水溶液界面における単層粒子膜の堅さは、粒子サイズ、疎水性、パッキング密度に加えて、粒子を物理的に結合させる添加剤を加えることにより制御できることが明らかになった。
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