本研究はレア・アースの抗菌・抗カビ材料としての可能性を検討することを目的に行った。種々の微生物や線虫C.エレガンス、哺乳類の培養細胞などに対する全レア・アースイオンの毒性を系統的に評価したところ、すべてのレア・アースが、抗菌・抗カビ活性を有することが示された。この活性は細菌類に対しては、銀や銅に比べてやや弱いものであったが、菌類(カビ類)に対しては銀よりは弱いものの、銅と同程度であった。一方、レア・アースは哺乳類培養細胞に対しては遺伝毒性、細胞毒性ともに全く示さず、銅に比べて高い安全性を持つことが示された。以上の結果は、レア・アースの抗菌金属、抗カビ金属としての可能性を示すものであった
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