アモルファスゲルマニウムに含有される多量の点欠陥の集積化を利用して,ナノポーラス構造の作製と制御を試みた.スパッタリングにより作製したa-GeをTEM中で一定速度で加熱すると500℃で結晶化した.粒径100nm程度の粗大粒子が生成し粒子間にはボイドネットワークが生成する.粒子の結晶構造は六方晶である.一方,350℃で数時間保持してから温度を上げると結晶化温度は600℃に上がり立方晶ダイヤモンド相が生成する.結晶粒径とナノ孔のサイズは数nmと微細である.アモルファスの初期構造が結晶化挙動を左右し,それによりナノ孔の形成挙動が変化する.ナノ孔の制御にはアモルファス構造の制御が鍵を握る.
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