シリサイド系熱電材料の実用化に向けた取り組みとしてMg2Si熱電材料の高温高圧合成実験を実施した。基礎データとして,放射光施設とマルチアンビルプレス装置を用いた高圧合成条件の探索やピストンシリンダー装置での高圧合成を行い,ホットプレス装置による合成実験で実用化に向けた研究を実施した。 その結果,複数回の焼結により良質なMg2Siを合成することが出来たが,複数回の高圧合成は非効率的で,実用化するには反応速度を向上させる必要があった。そこで大気中で安定なMgH2微粉末による合成を研究した結果,反応速度が飛躍的に向上するとともに,これまでの課題であったMg酸化物が抑制された熱電材料の合成に成功した。
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