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2014 年度 実施状況報告書

in-situ XAFS分析システムによるめっき皮膜/基板界面の化学状態解明

研究課題

研究課題/領域番号 26420741
研究機関九州大学

研究代表者

杉山 武晴  九州大学, シンクロトロン光利用研究センター, 准教授 (80391994)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード無電解めっき / UV処理 / 皮膜/基板界面 / in-situ XAFS / 放射光 / 硬X線
研究実績の概要

絶縁性基板上でUV照射による基板表面改質法を組み合わせて形成した無電解めっき金属皮膜について,皮膜/基板界面の元素の化学結合状態および結晶構造,特に加熱処理による界面の状態変化から皮膜/基板界面の密着力を明らかにすることを目的とし,主としてXAFS測定の利用から研究を進める。平成26年度においては,主に試料測定位置で加熱処理が可能なin-situ XAFS分析システムの開発および導入を進めた。また,加熱処理等の作製条件の異なるめっき皮膜試料(ex-situ)について,XAFSの転換電子法(CEY)および蛍光法(PFY)により測定を行った。試料には,ソーダガラスを基板として無電解Cuめっきによる成膜後に電解Agめっきおよび電解Cuめっきを成膜した皮膜試料を使用した。XAFS測定は,九州シンクロトロン光研究センター(SAGA-LS)の九州大学ビームライン(BL06)で行った。
開発し導入したin-situ XAFS分析システムでは,PBN(熱分解窒化硼素)ヒーター,および試料ホルダの材質にグラッシーカーボンを選定した。PBNヒーターは,仕様としては1000度C以上の昇温性能があり,また,グラッシーカーボンは,耐熱温度が約3000度Cであることに加えて,測定に関わるX線のエネルギー範囲に吸収端を持つ不純物元素濃度が極めて低いことから本研究におけるXAFS(CEYおよびPFY)測定に適したシステムである。in-situ XAFS分析システムと温度コントローラを接続し,温度制御システムの構築を進めた。一方,ex-situ試料のCEYおよびPFYによる測定を行い,CuのK吸収端(8.98keV)については大気中で,AgのL3-L1吸収端(3.35-3.81keV)についてはHe置換チェンバー内で測定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の当初計画通りHe置換チェンバー内におけるXAFS測定(転換電子法および蛍光法)を整備し,in-situ XAFS分析システムを開発し導入を行った。試料加熱処理部分のヒーターおよび試料ホルダ材質を若干見直し,より安定して実験を行えるシステムとした。ex-situ試料の測定も進め,本研究において重要となる元素の測定についても検討を進めた。次年度以降のin-situ実験を実施できる環境を整備した。

今後の研究の推進方策

in-situ XAFS分析システムの整備が進んだことから,当初計画の通り,次年度以降では,無電解めっき金属皮膜についてのin-situ実験を進める。温度制御システムのプログラム開発を含めて完成度を高める必要があるが,実験の実施と並行して進める。

次年度使用額が生じた理由

備品・消耗品等,およびそれら仕様の見直しによる購入価格の変動のため若干の次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

平成27年度配分額と合わせて執行する。

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公開日: 2016-05-27  

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