Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体はSiに代わる次世代材料として注目を集めている。本研究では,結晶の異方性を利用したアノードエッチングを用いて,自己配列したGaAsナノワイヤを作製し,電子エミッタとして動作することを実証した。また,外部電圧を印加しない微細加工法として,金を触媒とした化学エッチングを用いて周期100 nmのGaAsナノピラーアレイを作製した。併せて,エッチング液の組成やエッチング時間が,エッチング形態に及ぼす影響に関しても系統的に調査した。自発的に形成されるパターンを利用したナチュラルリソグラフィー技術は,広範囲で規則的な表面を形成する手法として新たな道筋を提示するものと期待できる。
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