本研究ではECAP法により作製した超微細結晶組織を有するCu-Zn合金の応力腐食割れ(SCC)感受性に及ぼす残留転位の影響を明らかにするために, 短時間時効の影響をあきらかにした.室温にアンモニア雰囲気で一定荷重の下で、破断まで保持した。結晶粒径がサブミクロン領域では短時間時効処理により粒径にほぼ変化はない条件では破断時間は増加したが、粒成長が見られるようになると逆に破断時間が低下した。残留転位または非平衡粒界から平衡粒界への変化により感受性が低下したと考えられる。すなわち,1 μm 付近でSCC感受性がもっとも低くなる臨界粒径が存在した.なお、予備試験により圧力は1GPaまでは影響ない。
|