Cr含有鋼の製造工程等から発生するCr含有スラグについて、生態系に悪影響を及ぼす六価クロム(Cr(VI))の溶出が懸念されており、スラグの再資源化に対する環境保全のためにCr含有スラグにおけるCr(VI)生成機構を明らかにする必要がある。本研究では、スラグを構成する主な化合物相としてダイカルシウムシリケート(2CaO・SiO2)及びMerwinite(3CaO・MgO・2SiO2)に着目し、Crイオン固溶状態をX線吸収スペクトル及び第一原理計算によって詳細に解析した。その結果、上記2種の化合物へは空気雰囲気でCrイオンが6価の状態で固溶することを見出し、Cr(VI)固溶構造モデルを提案した。
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