ナノ粒子が分散した液体塗布膜を高速乾燥させると、乾燥の進行と共に粒子が気液界面に捕捉され、膜表面に粒子濃厚層が形成されることは理論的に知られている。ところが工学的に重要な異種粒子混合系における粒子分布の動的形成過程はほとんど理解されていない。そこで本研究では、粒子径の異なるポリスチレン粒子分散系および二酸化チタン―ポリスチレン粒子分散系について、より粒径の小さな蛍光ポリスチレン粒子から発生される蛍光の強度時間変化を追跡することで、厚み方向の粒子分布を決定する新しい手法を開発した。粒子濃厚層内の小粒子充填率を時間の関数として与えると、蛍光強度の実測値と計算値はよく一致した。
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