本研究では,ホスト-ゲスト相互作用に基づくキラルホスト分子を用いた効率的な光学分割輸送システムの開発を行った。キラルリン酸誘導体をキラルホスト分子として用いた場合,ラセミのアミノ酸の光学分割を良好なエナンチオ選択性で行うことができた。また,キラルリン酸誘導体の溶液を液膜とした光学分割輸送システムの開発を行った。マイクロフローデバイスを用いた場合良好な結果は得られなかったが,3相系の場合では光学選択的に輸送が行われていることを見出し,さらに,2つの液膜と2種の相反する光学輸送剤とを組み合わせることで,有意の差を持って分離できることを見出した。
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