研究実績の概要 |
まず,流通系反応器を用い,流動条件と生成するナノ粒子のサイズの関係を整理した。原料流体の流量の増加と混合部の直径を小さくする,つまり混合を速くするのに伴い生成するナノ粒子サイズが小さくなること確認した。 次に,硫酸セリウムと亜臨界・超臨界水を用いて酸化セリウムナノ粒子を合成する反応速度解析を行なった。亜臨界域までの反応速度定数から頻度因子と活性化エネルギーを求め,超臨界領域の反応速度は誘電率の影響を加味した速度定数として推算した。 混合速度は流通式反応器の装置因子から直接決定できる流量を混合部の直径で割ったものとした。 さらに,反応速度を混合速度で割った無次元数であるダムケラー数を用いて各合成温度に対して粒子サイズと無次元数の関係を整理した。この結果,ダムケラー数が0.1未満の領域で粒子サイズは混合速度に依存しなくなる(反応律速),つまり反応温度だけで粒子径が決まることを見出した。これは流通系の反応装置の流路サイズや操作条件をこの無次元数の領域に入るように設計すれば反応律速条件の粒子サイズで粒子合成ができることを意味している。
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