金属酸化物ナノ粒子水熱合成では,迅速な反応を含むため,原料の混合過程が生成粒子の粒子径に影響を与える。したがって,有効なプロセス設計法を確立するには,反応速度の解析に加え,混合状態の定量的な分析が必要である。また,混合の影響を取り除くことで,サイズが小さく分布も狭い粒子を得ることができる。本研究では,流通装置を用いたセリアナノ粒子の水熱合成について,原料混合過程が反応速度・平均粒径に及ぼす影響を検討した。この結果,反応速度と混合速度の比からなる無次元数で反応律速条件(生成粒子径が混合速度に依存しなくなる条件)を特定できることを見出した。
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