近年の計算機及び計算化学の進展は固体材料の現実的なシミュレーションを可能としたが、触媒などの不均一な固体材料においては初期構造の経験的な入力が大きな足枷となっていた。本研究では、遺伝的アルゴリズムによる広域構造探索に密度汎関数計算に基づく局所構造最適化を組み込んだプログラムを開発し、触媒ナノ構造の真に非経験的な構造決定を目指した。金属クラスターなどの一元系、及び、塩化物や酸化物などの二元系のナノ構造を非経験的に決定するプログラムを実装することに成功した。さらに、Auクラスターの準安定構造を多変量解析により分類する方法を提案し、構造-エネルギー-反応性の相関を明らかにした。
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