本研究では、インフルエンザウィルスや病原性微生物のリアルタイム検出に利用可能な低コストかつ高感度な反射干渉分光(RIfS)センサの開発を目的とする。すなわち、申請者が独自に開発した窒化ケイ素親和性ペプチド(SiN-tag)の付着メカニズムを解明するとともに、SiN-tagを末端部に導入した単鎖抗体(scFv-SiN-tag)を分子シミュレーションによって精密設計し、分子配向性や熱力学的安定性を評価する。さらに、組換え大腸菌を用いたscFv-SiN-tagの培養生産技術、高効率リフォールディング技術、さらには、従来極めて困難であったRIfSセンサチップ(SiN)基板上へのscFvの高密度配向固定化技術を確立することで、抗体固定化RIfSセンサの大幅な低コスト化、高感度化を達成する。本研究を実施することで、極めて低コスト・高感度・迅速なベッドサイド検査が可能となる。
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