研究課題
本研究では、代表的な遺伝性肝疾患であるヘモクロマトーシス、ポルフィリン症、糖原病、アミノ酸代謝異常症、尿素サイクル代謝異常症、体質性黄疸、線維性嚢胞性肝疾患、ウィルソン病の原因遺伝子をノックアウトまたは変異を起こさせるようなCRISPR-Cas9システムのバキュロウイルスベクターのドナーコンストラクトを2種類作製した。作製したコンストラクトをHEK293細胞に導入し、得られたバキュロウイルスをHepG2細胞、Huh7細胞に感染させると著しく細胞増殖を阻害したためベクターを改良することととした。改良したベクターを用いて同様にバキュロウイルスを作製しHepG2細胞、Huh7細胞に感染させ、目的の変異が導入されたかどうかゲノムの配列を確認中である。今後、改良ベクターを用いてヒト肝細胞キメラマウスから分離した培養肝細胞にバキュロウイルスを感染させ、正常ヒト肝細胞での遺伝性肝疾患モデルや、そのヒト肝細胞を移植したin vivoの遺伝性肝疾患ヒト肝細胞キメラマウスを作製する予定である。各遺伝疾患に適合する変異が得られればヒトの肝細胞内での生命現象を正確に再現できるモデルが作製されていると考えられる。また、uPA-Scidマウスを背景とするためマウスの血球細胞自体も少なく、ヒトの血球細胞も存在しないため純粋にヒト肝細胞内の反応を解析できる。従って、本研究のヒトの遺伝性肝疾患を正確に再現した実験系で見出される新規治療薬の候補分子は信頼性、実用性、有効性が極めて高い。
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