研究課題/領域番号 |
26420800
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
江頭 直義 県立広島大学, 生命環境学部, 教授 (90094060)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | バイオセンサ / リポソーム / インフルエンザウイルス / 電気化学検出 |
研究実績の概要 |
本手法は、高感度な検出装置の小型化および低コスト化に繋がるものである。開発には、最適な電気化学活性種の探索及び電気化学活性種のリポソームへの内包手法を確立する必要がある。本年度の成果は以下のとおりである。 1.最適な電気化学活性種の探索:数種の金属錯体についてリポソームに内包させて内包濃度および内包率を調べた。リポソームの調製はエクストルーダを使用した。その結果、Fc(COONa)2(Fcはフェロセニルを示す)が0.2M濃度で1%程度内包できた。Ni(NH3)6Cl2は1M濃度でも内包できたが、還元電流で測定するので不適であった。Ru(NH3)6Cl3も0.4Mで1%程度内包できた。K4Fe(CN)6は内包濃度が低かったが、調製中に不溶物がみられたの次年度検討する。従って、良好な酸化還元を示すFc(COONa)2を使用することにした。 2.リポソームの破壊方法:界面活性剤および有機溶媒による破壊を試みた。その結果、Fc(COONa)2の酸化還元波への影響がすくない100ppmTritonX-100が最適であった。 3.フローインジェクション法による検量線:内包されたFc(COONa)2を定量するためTriotoX-100共存下で電気化学検出器を使用し、Fc(COONa)2の検量線の作成を試みた。それより1x10-7Mまで測定可能であった。 4.2成分SAMの調製:測定のバックグランド信号を低減させるために電極のSAM欠陥の少ない2成分SAM調製を検討した。その結果、ジチチオジプロピオン酸およびヘキサンチオールの溶液比100:1程度で調製したSAMの欠陥が小さいことを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の主たる目標は高濃度(0.1M以上)の電気化学活性種を内包したリポソームを調製することである。比較的順調に幾つかの候補となる金属錯体の探索し、漏出の少ないリポソームを調製できた。
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今後の研究の推進方策 |
1.イムノリポソームの調製:代表的なタンパクBSAの抗体を使用してイムノリポソームを調製する。この手法についてはすでに研究室で確立している手法を使用するので短時間に確立できる予定である。 2.BSAタンパクの検量線:金電極上かマイクロプレート上で抗原抗体反応し、固定化されたイムノリポソームを破壊し、フーロインジェクション法で定量する。ここでは、最も問題となるバックグランドの信号低減を中心に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費の納入金額の見込みが異なり、余ってしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越し分は、次年度の物品費として使用する予定である。
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