研究課題/領域番号 |
26420803
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
芝崎 誠司 兵庫医療大学, 共通教育センター, 准教授 (50342530)
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研究分担者 |
岩崎 剛 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (10151721)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 酵母 / 提示 / 抗原 |
研究実績の概要 |
平成26年度、出芽酵母BY4741株が最も提示分子数が多いことが確認されたので、BY4741株にディスプレイしたモデル抗原ペプチドMPの提示量に関する条件検討を継続した。His6-tagペプチド抗体を一次抗体とし、Alexa488標識二次抗体を用いた免疫蛍光染色と蛍光マルチウェルプレートリーダーによる測定により、細胞にディスプレイしたタンパク質量の定量に加え、顕微鏡での評価も進めた。さらに定量の精度を上げるため、イメージサイトメータを用いた定量評価も開始している。細胞株の種類、培地や培養環境などの組み合わせを検討し、抗原タンパク質のディスプレイの至適条件が検討された。その結果、培養後20から24時間でもっとも多くのMPタンパク質分子が提示されることが確認された。また、ワクチンの経口投与期間中、未投与の細胞からのMP分子の遊離や分解など、品質の低下が発生しないかを検証するため、PBS水溶液中のMPディスプレイ酵母の冷蔵保存における安定性にも検討が加えられた。2週間冷蔵保存したMPディスプレイ酵母を遠心分離し、上清についてSDS-PAGEならびにウエスタンブロットにより検討を行ったところ、MPの遊離は確認されなかった。また、遠心分離後の酵母について蛍光標識を行い、プレートリーダーならびに顕微鏡で確認したところ、培養直後と同程度の蛍光シグナルを検出することができた。表層提示するMPの精製についても、エンドトキシン除去カラムを用いて、適切な精製条件を検討し、ペプチドの生理活性評価に必要な分量の調製方法も検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者と情報共有を頻繁に行いながら、研究計画を進めてきたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は新たに導入したイメージサイトメータを用いたMPディスプレイ分子数の定量実験や至適条件について再現性の確認を行う。また、2週間以上の保存にも対応できるか等の更なる検討も加える。引き続き、これまでの関連研究や文献情報等を精査し、経口投与に必要なMPディスプレイ酵母細胞数や懸濁液条件等の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品は他の研究で購入したものを使用することができ、予算額範囲内で執行することができた。そのため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は培養回数が大幅に増えることが見込まれ、培地関連試薬の購入費用を中心に充当する予定である。
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