研究課題
平成28年度は、4脚着陸機モデルを用いた落下試験と、着陸時の転倒性能を向上させるための水平速度検出方法の研究を実施した。4脚着陸機モデルについては、想定される100kg級の探査機について、月面での重力と地上での重力の差を考慮し、1/6スケールモデルを作成した。これまで、2次元での運動を模擬する2脚着陸機モデルを使用してきたが、そこに用いていた購入品の磁気流体ダンパではサイズが大きすぎるため、小型の磁気流体ダンパを自作した。このモデルを用いて、砂地への落下、脚が岩に乗りあげるケースなどの実験を実施した。定性的には、シミュレーション結果と一致し、提案するセミアクティブ制御則の有効性が示せたが、定量的には一致しない部分が残っている。この原因は、磁気流体ダンパが設計上の特性になっていないと考えられ、今後の改良が必要と考えている。水平速度検出方法については、画像を用いた相対速度検出方法について、平成27年度に引き続き研究を進めた。画像のケプストラム変換により、1枚のブレ画像から相対速度を検出する方法について検討を行った。対象地形の特徴の多少、高度誤差、角度誤差、高度方向速度、角速度などの影響についてシミュレーションによって評価し、提案方法の有効性を示すとともに、その限界性能を明らかにした。また、ジオラマ模型を用いた速度検出実験により、本手法の有効性が示された。なお、本研究を実施してきた研究協力者の眞下泰輝氏は、第60回宇宙科学技術連合講演会学生セッションにおいて優秀発表賞を受賞した。平成28年度は最終年度であり、これまでの研究成果のまとめを、第60回宇宙科学技術連合講演会と67th International Astronautical Congressにて発表した。
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Journal of Guidance, Control and Dynamics
巻: 39 ページ: 1790,1804
10.2514/1.G000325