船体疲労強度設計に「設計海象」という考え方を導入する場合,船体最終強度のようにいくつかの海象に絞ることはできないため,すべての海象を考慮しなければならない。本研究では,まず,疲労強度に有意であると考えられる短期海象をモデル海象として抽出し,疲労強度に有意となる短期海象の特定を行った。次に,実際の船舶が航行する太平洋・大西洋航路を対象として,大圏航路を航行した場合と最短時間航路を航行した場合における疲労被害度を求め,航路の違いが疲労強度にどのように影響するかを,海象と荷重の観点から検討した。これらの結果を比較することにより,船体疲労強度設計のための設計海象および設計荷重に関する考察を行った。
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