研究課題/領域番号 |
26420831
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
岡本 強一 日本大学, 理工学部, 准教授 (50256806)
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研究分担者 |
遠山 岳史 日本大学, 理工学部, 准教授 (40318366)
小森谷 友絵 日本大学, 生産工学部, 講師 (80409086)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 循環型浄化システム / マイクロバブル / 微生物活性 / ゼオライト / 放射性セシウム / アルカリ・ゲネス・フェカリス |
研究実績の概要 |
マイクロバブルと微生物活性剤を併用することによって,微生物の助けを借りた循環型浄化システムを用いて,堆積汚泥の分解による放射性セシウムの溶出挙動と効率的なセシウム除去システムを開発することを目的としている. 当初の目標(1)循環型浄化システムの最適稼動条件としては,海水量30リットル,堆積汚泥量1kg当たり,水温30℃,活性剤濃度100ppm,循環流量は毎分300Lの場合が安定した実験結果をだしているようである.この結果は,H26,27年ともに同様の結果となった.当初の目標(2)システムのメカニズムの確定に関して,堆積汚泥にセシウムは「吸着」しているようである.循環型浄化システムを用いて,その堆積汚泥を「分解」すれば,セシウムが海水中に「溶出」する.溶出すれば,既存技術のゼオライト等で「固定」可能である.当初の目標(3)生物学的特性(微生物)の解明に関しては,培養・分離を繰り返す混釈法を用いて,単一種となるまで繰り返し,DNA 解析による結果ではアルカリ・ゲネス・フェカリスを検出し続けている. 当初の目標(4)セシウムの最適除去システムの構築では,システム内のメカニズムは確定されてきたが,昨年度は実験システムを若干変更した.すなわち,システム内に既存技術であるゼオライトを設置して循環型浄化システムによって実験を行った.その結果,H26年度のセシウム除去率30%程度だったものが,除去率は約60%に達した. 研究の進展として,順調に推移していると言えよう
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
到達目標(1)システムの最適稼働条件として,水温,活性剤濃度,循環流量等,ほぼ最適であろう結果となっている.到達目標(2)システムのメカニズムの確定に関して,堆積汚泥にセシウムは「吸着」している.循環型浄化システムを用いて,その堆積汚泥を「分解」すれば,セシウムが海水中に「溶出」する.溶出することが出来れば,既存技術のゼオライト等で「固定」可能である.到達目標(3)生物学的特性(微生物)の解明に関しては,アルカリ・ゲネス・フェカリスを検出し続けている. 到達目標(4)セシウムの最適除去システムの構築では,システム内に既存技術であるゼオライトを設置して実験を行った.その結果,セシウム除去率は約60%に達した. 以上のように,当初のアイデアを基に若干の改良を行い,良い結果を得た. 順調・それ以上に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に関して,順調・それ以上に進展していると考えられる.今後の推進方策として,以下のように行う. 到達目標(3)セシウムの最適溶出システムの確定として,現地微生物以外に別の海域の微生物でも活性化するか調べる. 到達目標(4)セシウムの最適除去システムの構築として,液体中は100%であり,固相中のセシウム除去率は約60%となっている.よって,残りの40%程度は汚泥中に存在する.そこで,新たに「凝集剤」を用いて,循環型浄化システムを稼働して48-60時間程度の時間を決め,システムの稼働時間と凝集剤の最適投入量を決定し,セシウムの除去率を確認する.この方法で100%除去を目指すことにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験機器が故障して急遽購入ということになった為,その他の購入計画を変更せざるを得なくなり最終的に端数が出てしまった為.
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次年度使用額の使用計画 |
研究報告書作成費,実験分析費,旅費等を使用するが,適正に行う計画である.
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