研究課題/領域番号 |
26420837
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研究機関 | 独立行政法人海上技術安全研究所 |
研究代表者 |
小林 充 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (10373416)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 海流推定 / AIS / ウェザールーティング / 航海支援システム |
研究実績の概要 |
受信したAISデータを陸上に転送する機材を設置した船舶および陸上施設により受信されるAISデータを収録し、データ収集を開始した。収集したAISデータから海流ベクトル分布を推定するアルゴリズムを作成し、収集したAISデータを適用して京浜から九州に至る太平洋沿岸の海流推定を行った。 算出されたデータを解析したところノイズが多く、主に船首方位値の精度が悪い(船首方位計が停止している、一定のオフセットをもって出力されているなどが見受けられる)船舶によるものであったため、船舶別に海流解析値との乖離の大きさを算出し、乖離の大きい船舶からのAISデータを除外して再度海流解析を行うという2パスでの海流推定手法を作成した。その他、海流解析値の信用度を行列式により推定し低信用度の情報を除外する手法等、海流解析値の信頼度を向上する手法を考案した。以上の手法をプログラム化しAISデータを入力して海流を推定したところ、一般の海流データを一切使用していないにもかかわらず類似した形状の海流データを導出することができた。 今後は、船舶計測値による海流推定データの検証、さらなる推定の高精度化、メッシュ形状の工夫等を通じてデータの信頼度を高め、またウェザールーティングへの応用や一般の海流データの補正による高度化等を視野に入れた開発を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の年度実施計画を十分に実施している。
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今後の研究の推進方策 |
協力船社、気象会社から協力を得て、船舶計測値による海流推定データの検証・比較を行う。 データのクレンジング、メッシュ形状の工夫、時間・空間的に離れたAISデータの活用手法の検討等を通じてデータの信頼度を高める。 またウェザールーティングへの利用や一般の海流データの補正による高度化等を長期的な視野に入れ、適用可能な形での開発を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
船舶や港にAIS収集機材を設置する計画であったが、船社の協力等により船社向けに収集しているデータ、陸上で受信するデータが使用可能になったため、機材の設置が必要なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
文献・学会参加等情報収集のための費用、データ解析強化のための非常勤人件費として使用していく。
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