Al-Mg-Si合金を用いて、熱時効下における拡張した刃状転位に対する鈴木偏析を調べた。熱時効下においては、積層欠陥部分およびショックレー部分転位へのSiの濃化が認められた。MgについてもSiよりも低濃度の偏析が同じ領域で認められており、定性的にはオーステナイト系ステンレスを重照射した場合と同様の傾向を示すことが明らかとなった。転位の構造に対して、照射下と熱時効下での定性的な偏析の傾向に大きな違いは無いものと考えられるが、照射下では転位の運動や増殖が照射により継続的に起こっている事や、照射促進の偏析が起こることにより熱時効下よりも容易に偏析が起こることが示唆された。
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