研究課題/領域番号 |
26420864
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 知典 東京大学, 人工物工学研究センター, 准教授 (40401145)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大規模シミュレーション / 可視化 / 分析 |
研究実績の概要 |
計算機技術の発展に伴い、原子力施設等の重要構造物の大規模な丸ごとシミュレーションが可能となりつつある。一方で構造健全性を評価するためにはシミュレーションで得られる膨大な結果データの分析処理を行うことが必要不可欠である。本課題では原子力施設の耐震シミュレーション結果を対象として、その膨大な結果データから構造健全性評価を行う分析支援環境の構築を目的としている。当該年度は平成26年度までに開発した大型プラントを構成する部品単位で代表物理量を抽出し、その時系列変化を離散フーリエ変換等を用いて分析するコードを2億自由度沸騰水型原子力プラントの耐震シミュレーション結果に適用することにより、開発技術の有用性の確認と開発コードの評価を行った。前者では開発技術により圧力容器やサプレッションチェンバー等の大型機器を支持する構造物(スタビライザやブレース)で発生する応力集中部位を容易に同定することが可能となった。これにより、シミュレーション結果動画の作成時に最も時間を必要としていた視点位置の設定にかかる時間を飛躍的に削減可能となった。また、同時に本技術の目的であるデータ転送量の削減にも大きく貢献した。後者の開発コードの評価では、分析機能としては十分なパフォーマンスを発揮している一方で、現状ではスーパーコンピュータ上でのデータファイルへのアクセスがボトルネックとなっており、更なるチューニングが必要であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コード開発、実プラントを対象とした技術の有用性の実証ともに予定通り順調に進展している。本課題で開発した分析支援コードをオープンソースコードとして提供する準備も着実に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は本課題で開発した分析支援コードをオープンソースコードとして10月を目途に公開するとともに産業界からのフィードバックを受け更なる改善を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在投稿中の学術論文の査読が遅れており、掲載料および別刷代の支出が当該年度に実施されなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に掲載料と別刷代として支出予定。
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