事故耐性燃料被覆管、SiC/SiCの材料であるSiCは大気中でSiO2の生成する酸化反応以外に、高温の比較的低い酸素雰囲気下で焼結助剤であるAl2O3などと反応してSiOおよびAl2O3が生成し、反応生成物が気化する。この挙動を実験的に調べた。SiCは大気雰囲気においてはSiO2の生成する反応がおこり、SiC試料表面に保護性の薄いSiO2膜が生成し、酸化反応は停止する。真空雰囲気においては、SiOやAl2O3が生成する反応がおこり、SiC試料表面に空孔を形成することを確認したが、熱力学評価からは、被覆管内では反応生成物が蓄積することにより、いずれの反応も直ちに停止することが示唆された。
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