研究課題
極微量核種の分光・分析に向けて、狭帯域・高繰り返し率注入同期チタンサファイアパルスレーザーを用いた高分解能共鳴イオン化分光法(Resonance Ionization Spectroscopy: RIS)の開発を進めている。3ヵ年計画の3年目である本年度の研究実績は以下のとおりである。(1)高分解能RIS開発のためのレーザー光源の整備として、注入同期チタンサファイアレーザーの特性について詳細な評価を行った。また、高分解能共鳴イオン化分光を実現するために最適なイオン化スキームの探査が不可欠である。そこで、波長可変性能が高く、高繰り返し率で動作するグレーティング型チタンサファイアレーザーの光学系を設計し、その製作にとりかかった。(2)注入同期型チタンサファイアレーザーと既存の広帯域パルスレーザーのパルス時間制御系を整備し、基礎実験装置を構築した。これを用いて、NbおよびTi安定同位体を対象とした高分解能RIS用イオン化スキームの探査を行った。NbおよびTiの高分解能共鳴イオン化スペクトルにおいて、それぞれ超微細分裂、同位体シフトを分解可能であることが示された。
2: おおむね順調に進展している
平成26年度に計画していた項目を実施されており、順調に進展していると判断した。
高分解能RIS開発に向けて、グレーティング型チタンサファイアレーザーを構築し、基本特性を明らかにする。また、その広域にわたる波長可変性能を生かし、高分解能RISに向けたイオン化スキームの候補を選定する。また、注入同期型チタンサファイアレーザーを用いて、2光子吸収やガスジェット中での高分解能RISの基礎実験を実施する。
平成26年度に設計したグレーティング型チタンサファイアレーザーの光学系の一部を購入予定であったが、製作に時間がかかることが判明したため、繰越した。
平成26年度に購入予定であった光学部品を購入し、その他は当初計画通りに執行する予定である。
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