研究課題
(1)高分解能RISのために、注入同期型チタンサファイアレーザーの周波数校正手法を開発した。ここでは、温度安定化したファビリペロー干渉計の使用とともに、光周波数コムの利用が有用である見込みを得た。なお、光周波数コムを用いた実験は、名古屋大学西澤典彦教授の協力のもとに行われた。(2)グレーティング型チタンサファイアレーザーを用い、ThやZrの2色共鳴イオン化スキームを開発し、その効率評価を行った。(3)アクチノイド核種およびプルトニウムなどの高分解能RISに向け、フィンランド・ユバスキュラ大学にて、ガスセル中プルトニウム同位体のレーザー共鳴イオン化スキームの開発を平成27年度に引き続きフィンランド・ユバスキュラ大学にて実施した。グレーティング型チタンサファイアレーザーによる広域波長スキャンの結果、ガスセル内でレーザーにより共鳴励起された原子は、バッファガスとの衝突により脱励起するため、真空中で最適とされている共鳴イオン化スキームは有効でないことが明らかとなった。また、ガスセル内でのPuの高効率なイオン化スキームを見出した。これらの実験は、研究協力者のドイツ・マインツ大学Klaus Wendt教授とフィンランド・ユバスキュラ大学Iain Moore教授の協力のもとに行われた。これらを通じて、高効率なイオン化スキームを開発するためのレーザー光源の整備と効率の評価法、また、高分解能RISのための注入同期型チタンサファイアレーザーの周波数校正手法を開発し、光周波数コムの利用が有用である見込みを得た。さらに、放射性核種であるPuの共鳴イオン化実験を行い、ガスセル内共鳴イオン化の特性を明らかにした。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件)
Nuclear Instruments and Methods in Physics B
巻: 376 ページ: 233-239
10.1016/j.nimb.2016.02.019
RIKEN progress report
巻: 49 ページ: 16-16
巻: 49 ページ: 190-190