水溶液中からのセシウムイオンの吸着・捕集から固化・閉じ込めに至る一連のプロセスを、層状チタン酸塩の結晶構造の次元性制御によって一元的に遂行できることを実証した。四角錐TiO5型の構造単位を持つK2Ti2O5を酸処理して得られるナノシート状材料が、従来知られていた酸処理K2Ti4O9材料よりも優れたセシウム吸着・捕集機能を発揮するだけではなく、熔融塩電解による固化体への転換機能および高度なセシウム閉じ込め能力を発揮することを見出した。本研究の成果は、セシウム由来環境汚染に対し即時的な解決を与えるだけでなく、軽水炉型原発の放射性廃液処理技術に対し本質的かつ長期的な貢献をはたすものと期待される。
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