研究課題
平成28年度は,LCVT機構の解析と発電システムの開発をおこなった.まず,LCVTの機械要素の配置パターンを検討した.LCVTには,要素部品として,クランク(入力軸),連結リンク,てこ(出力軸),ワンウェイクラッチ,立体カムが搭載されているが,二つの立体カムを設け,これらのカム間の空間距離を確動カムと定義して設計し,この空間確動カムがLCVTの機能要素として変速伝達機構の役目を果たすことを確認した.つぎに,機械式フライホイールと電気式二次電池を組み合わせた発電・蓄電システムを構築した.フライホイールの基本構造として,フライホイールを支持する部材は,筐体ベース中央にあるテーパ穴に圧入した真円球とした.筐体ベースと交叉する,フライホイールの回転軸の上下の二箇所に,凹球面を施す.そして,曲率半径の異なる真円球と凹球面を接触させることで,フライホイールを回転軸上で挟み込み,点接触で支持する機構とした.ベアリングの代わりに,部品点数の少ない接触支持機構とし,エネルギー損失を抑える構造にした.真円球と凹球面の接触面積を減らすことで,回転軸からの距離に依存するモーメント,摩擦力,および振動の影響を抑制した.発電システム搭載用LCVTに対し,3DCADの解析ツールを用い,LCVTの動作を解析し,変速幅,伝達トルク,変速比の変動を調査した. LCVTの性能として,伝達効率は95%,速度変動や脈動は1 % 程度となることを確認した.つぎに,許容トルクとシステムの発電効率を理論的に算出し,蓄電量の理論値を計算した.さらに,LCVTの変速比が0~∞であることを考慮したブレーキ性能について,理論解析をおこなった.なお,四節リンク機構の最適なユニット数は,コスト面や信頼性等から,四組が妥当であると結論付けた.
すべて 2016 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) 備考 (3件)
日本設計工学会学会誌「設計工学」
巻: Vol. 51, No. 7 ページ: 519-534
10.14953/jjsde.2015.2638
The 16th International Conference on Precision Engineering (ICPE)
巻: - ページ: P19-8154
巻: - ページ: P14-8153
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