本研究では,硫化水素を含まず,点火可能なメタン標品を毎日生産するシステムの確立を通して,発酵細菌-メタン菌栄養共生系によるメタン生産の基本原理を明らかにすることを目的とした。我々は好熱性発酵細菌T. globiformansと超好熱性メタン菌M. jannaschiiとの栄養共生系に,好気下軽石持込培養を適用し,二酸化炭素を除去する水酸化ナトリウムの配置により,以下の基本原理を明らかにした。1.軽石の使用により絶対嫌気性菌の培養が好気気相下で可能となる。2.1により,硫化水素は気相中の酸素によって自然に除去される。3.二酸化炭素はメタン生産の基質であるが,気相からは除去することが望ましい。
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