研究課題/領域番号 |
26420892
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
安芸 裕久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 安全科学研究部門, 主任研究員 (70356343)
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研究分担者 |
涌井 徹也 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40339750)
横山 良平 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70158385)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | エネルギーシステム / エネルギーマネジメント / エネルギー融通 / エネルギー需要予測 / サポートベクターマシン / 最適化 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、予測モデル、最適化モデルおよび逐次運用モデルを構築し、それらを統合して運用シミュレーションを行うDEM-SEM(Demand- side Energy Management Simulation and Evaluation Model)を開発した。住宅4戸を対象とした具体的なエネルギーシステムやエネルギー料金形態を複数想定してシミュレーションを行った。各モデルに関する実施状況は次の通りである。 [予測モデル]前年度の解析結果をもとに、住戸単位の温水消費を前日に予測する手法を開発した。サポートベクターマシンを用いて、外気温、居住者の在宅/不在宅状況、平日/休日といった影響因子を学習データとして入力し、温水消費量を予測するモデルを構築した。影響因子の取捨選択や学習期間等による予測精度の違い、予測および逐次運用の結果について比較を行った。ボトムアップアプローチ予測手法についても一部アルゴリズムの見直しを行った。 [最適化モデル]エネルギー費用最小化(経済性)に加えて、一次エネルギー最小化およびCO2排出量最小化も考慮した多目的最適化モデルに拡張した。また、異なるエネルギーシステムを扱えるようにモデルの見直しを行った。 [逐次運用モデル]運用計画に基づいて、当日、温水消費やタンクの貯湯量を考慮しながら逐次運用するため、逐次、機器を制御する機能と運用計画を修正する機能とを構築した。シミュレーションはDEM-SEM上で行うこととしており、10分毎に、温水消費状況から湯張り時刻等予測を修正し、貯湯量を考慮して、最適化モデルにより修正した運用計画を立案する機能を構築した。 [検証実験]検証実験のための準備として実験設備の改造・追加を行った。沸かし上げ量を制御できるようにCO2ヒートポンプ給湯機を改造し、コージェネの熱供給に見合った温水を供給するための設備を増設した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各モデルについて順調に構築が完了するとともに、全体を統括して運用シミュレーションを行うDEM-SEMを構築した。検証実験の整備もハードウェアについては完了した。以上から、平成27年度の目標は達成されている。
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今後の研究の推進方策 |
DEM-SEMを活用し、異なるエネルギーシステムや料金形態にも対応したエネルギーマネジメントシステムの構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は、文献、実験補助員費および検証実験設備の整備に要する費用の一部について、使用しなかったために生じた。文献および検証実験設備の整備に要する費用の一部は、他予算を充当したため、科研費を使用しなかった。実験補助員費は、研究代表者自らが作業を行ったため執行しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
検証実験における予想外の不具合等に備えた予備的な資金として留保しておく。大きな不具合なく実験可能となった場合は、実験補助員費や成果発表に要する英文校閲や学会発表旅費等に充当することで、より多くのデータ取得・成果獲得や、積極的な成果発表のために活用する予定である。
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