研究実績の概要 |
(1)海馬スライスの神経シナプスを可視化して、共焦点顕微鏡で3次元像を解析することで、性ホルモンによる神経スパインの早い増減の解析を行った。この研究の結果、「海馬スライスでのエストラジオールE2 の2時間短期作用→神経スパイン内にあるE2受容体ERaとERbに結合 → LIMK, MAPK, PKA, PKC, PI3K のリン酸化 → アクチン制御蛋白(cofilinや cortactin)のリン酸化→アクチン重合→スパインが増加する」であることを発見し、Brain Research (2014) Special Issue, Brain and Memory に2報を投稿し、掲載された(Web on-line)。Impact Factor 8。 (2)更に「海馬スライスでのテストステロン の2時間短期作用 → 神経スパイン内にある男性ホルモン受容体ARへの結合 → LIMK, MAPK, PKA, PKC のリン酸化 →アクチン制御蛋白(cofilinや cortactin)のリン酸化 → アクチン重合 → スパインが増加する」であることを発見しBrain Research (2014) Special Issue, Brain and Memory に投稿し、掲載された(Web on-line)。Impact Factor 8。 (3)多電極電気生理法を海馬スライスに適用し、 E2を合成する酵素 P450arom を30分間阻害すると、長期増強 LTPが抑制されることを見出した。しかしあらかじめE2を灌流しておくと、LTPは阻害されない。これはスライス中で早いE2合成起こっていることを示している。この海馬スライスに、男性ホルモン DHT を加えて相互作用を観測中である。
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