• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

小脳内に分散された複数の可塑性による相補的運動学習メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26430009
研究機関電気通信大学

研究代表者

山崎 匡  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40392162)

研究分担者 田中 繁  電気通信大学, 脳科学ライフサポート研究センター, 特任教授 (70281706)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード小脳 / 運動学習 / シナプス可塑性 / モデル / シミュレーション
研究実績の概要

最終年度は、分子層介在ニューロン(MLI)のシナプス可塑性の機能的役割について検討した。これまでの研究では、星状細胞はその小さな形状とプルキンエ細胞(PC)への結合様式から、個々のPCへの平行線維入力の調節を、バスケット細胞は平行線維と直交する方向に伸びる軸索の解剖学的構造から、平行線維のビームを絞る役割を担っていると考えられてきた。しかしMLI同士の抑制もありネットワークを構成していることから、単にそれだけの機能だけとは考えられない。また平行線維--MLI間シナプスには可塑性もあることが知られているが、小脳学習における機能的役割は不明である。
本研究では、強化学習の枠組みであるActor-criticモデルに着目した。その神経回路実装の論文(Barto, Sutton, Anderson 1983)にもとづき、MLIをcritic、PCをactorする強化学習が、小脳皮質で実現されているのではないかという仮説を立てた。
これまでのところ、論文のモデルを再実装し、動作を確認している。典型的なcart-poleタスクを小脳皮質を見立てた神経回路で解くことに成功している。さらに、この神経回路を小脳皮質に見立てるためには、MLI同士のネットワークを考慮して1時刻前の活動が得られるようにする必要があるのと、細胞応答の極性を考慮にいれる必要があるため、現在はその点の解決に取り組んでいる。
一方、小脳と強化学習の関係は近年のホットトピックであり、多種多様な論文が出版されている。それらについてのサーベイを随時行った。
さらに、今後この強化学習にもとづいた小脳回路モデルを大規模精緻化するために、スパコンを用いた高性能な実装を行い、かつ細胞の空間形状まで含めたモデル化の方針を検討した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Realtime simulation of a cat-scale artificial cerebellum on PEZY-SC processors2017

    • 著者名/発表者名
      Tadashi Yamazaki, Jun Igarashi, Junichiro Makino, Toshikazu Ebisuzaki
    • 雑誌名

      International Journal of High Performance Computing Applications

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] パーセプトロンと小脳2016

    • 著者名/発表者名
      山﨑 匡, 牧野 淳一郎, 戎崎 俊一
    • 雑誌名

      臨床神経学

      巻: 34 ページ: 889-891

  • [学会発表] Efficient numerical simulation of neuron models with spatial structure on graphics processing units2016

    • 著者名/発表者名
      Tsukasa Tsuyuki, Yuki Yamamoto, Tadashi Yamazaki
    • 学会等名
      ICONIP 2016
    • 発表場所
      京大 (京都・京都)
    • 年月日
      2016-10-16 – 2016-10-21
    • 国際学会
  • [学会発表] Efficient computer simulation of spatial neuron models with graphics processing units2016

    • 著者名/発表者名
      Tadashi Yamazaki, Yuki Yamamoto, Tsukasa Tsuyuki
    • 学会等名
      日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜 (神奈川・横浜)
    • 年月日
      2016-07-20 – 2016-07-22
    • 国際学会
  • [学会発表] Shoubuで実現するネコ一匹分の人工小脳2016

    • 著者名/発表者名
      山﨑 匡
    • 学会等名
      理研シンポジウム「スーパーコンピュータHOKUSAIとShoubu、研究開発の最前線」
    • 発表場所
      理研 (埼玉・和光)
    • 年月日
      2016-06-08 – 2016-06-08
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi