自閉症スペクトラム障害(ASD)と関連の強い小脳の第VI-VII小葉に関して、その構築と発生過程、入出力軸索投射を解析した。その小葉の半球部である第I脚・第II脚は霊長類でよく発達している。まず、霊長類の小脳で両者を合わせた部分がげっ歯類小脳で第I脚と命名されている小葉と相同であることを示した。げっ歯類の第I脚は、Pcdh10陽性領域が大きく、特異的な神経投射パタンを持っていた。さらに、マウス胎生期の小脳において、Pcdh10陽性領域の横方向への成長が形成途上の第VI-VII小葉・第I脚において特異的に見られた。以上の結果は哺乳類小脳のこれらの小葉の構築および入出力回路の特異性を支持する。
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