研究課題/領域番号 |
26430039
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
小坂 克子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (60202058)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 嗅覚 / 免疫組織化学 / カルシウム結合タンパク / ドーパミン / GABA / 定量解析 |
研究実績の概要 |
装置の更新をしたマイクロブライトフィールド社製Stereo investigatorシステムを使用して、マウス嗅球糸球体近傍ニューロンのoptical fractionator定量解析を進めた。特に、カルシウム結合タンパクcalretini含有傍糸球体細胞とsecretagogin含有糸球体近傍ニューロンの解析に重点を置いた。これまでの蛍光多重免疫染色の結果から、両者はある程度の共存関係があることを明らかにしていたが、嗅球糸球体層の総数を比較したところcalretinin含有傍糸球体細胞はsecretagogin含有糸球体近傍ニューロンの3倍程度もあり、両者はかなり異なったニューロングループと考える必要があることが示されつつある。 また、ドーパミン‐GABA糸球体近傍ニューロンについては糸球体内の突起があまりに密集して個々のニューロンの突起の形態が明らかにできなかった。しかし、以前の実験で作成していた鼻孔閉鎖により機能的に入力除去した嗅球のtyrosine hydroxylase免疫染色標本を再検討したところ、いくつかの例で、ドーパミン‐GABA糸球体近傍ニューロンが散在して個々のニューロンの突起がかなり明確に観察できることに気が付いた。そこで、鼻孔閉鎖マウスを作成し、嗅球ドーパミン‐GABA糸球体近傍ニューロンの形態解析を開始した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
装置の更新で定量解析が進めるようになり、それまでに作成していた標本の解析が進んだ。
|
今後の研究の推進方策 |
calretinin含有傍糸球体細胞とsecretagogin含有糸球体近傍ニューロンの関係を共存の率も含めて定量的に明らかにする。そのためには蛍光多重免疫染色標本のoptical fractinator解析を計画している。また、鼻孔閉鎖マウスでの嗅球ドーパミン‐GABA糸球体近傍ニューロンの形態解析を進める。更に、150ミクロン厚の固定した嗅球スライスを蛍光免疫染色した後に、蛍光顕微鏡下で脂溶性蛍光色素(DiI等)を陽性細胞内に注入する実験を進めることで、個々の陽性ニューロンの細胞体・突起の形態に明らかにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度は研究は順調に進行したが、前年度の機器の不具合に伴い計画全体としては少し遅れ、本年度のみではその挽回ができなかった。そのため順調に進んだ場合に計画していた物品の購入・実験補助員の募集も遅れ、その結果として次年度に経費を使用することとなった。
|
次年度使用額の使用計画 |
計画全体をさらに加速して進めるために全体的な上乗せ分として用いる予定である。
|