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2016 年度 実績報告書

CRMPの神経回路形成および神経再生における役割の解明と脊髄損傷治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26430043
研究機関早稲田大学

研究代表者

大島 登志男  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20311334)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードキナーゼ / 神経発生 / 神経再生
研究実績の概要

本研究は、神経回路形成に重要な役割を果たす軸索ガイダンスに関わるCRMPの機能について遺伝子改変マウスを用いて解析することであり、特に神経回路形成における役割と、神経再生に関わる役割に着目して研究を進めてきた。特に神経再生に関しては、脊髄損所モデルを中心に解析を行なった。
神経発生期のCRMPの役割については、CRMP1-5の機能的重複のために、単独の機能欠損では明らかな異常があらわれないことが分かっているため、CRMP1, CRMP2, CRMP4の遺伝子改変マウスを組み合わせて欠損しているマウスを作成した。この際、CRMP2に関しては、Cdk5のリン酸化サイトをアミノ酸置換して非リン酸化型CRMP2のみを有するCRMP2KIを用いた。CRMP4欠損では、basal dendriteの下向き傾向があり、CRMP1欠損との2重欠損でこの異常が増悪されることを明らかにした(Takaya et al., 2017)。また、CRMP2のリン酸化が樹状突起スパイン形成に与える影響についてCRMP2KIマウスを用いて明らかにした(Jin et al., 2016)。
また、脊髄損傷モデルを用いた解析では、これまでにCRMP4欠損が運動機能回復に有利に働くことを報告しているが、更に感覚機能の回復にも有利に働くことを示した(Nagai et al., 2016)。さらに、CRMP2のリン酸化を抑制することにより、脊髄損傷からの運動機能と感覚機能の回復が良好となることをCRMP2KIマウスで示すとともに(Nagai et al., 2016)、CRMP2の機能を修飾するLKEを投与することにより脊髄損傷後の運動機能回復が良好となることを報告した(Kotaka et al., 2017)。以上より、CRMP2及びCRMP4の機能修飾が脊髄損傷などの治療ターゲットになり得ることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] CRMP1 and CRMP4 are required for proper orientation of dendrites of cerebral pyramidal neurons in the developing mouse brain2017

    • 著者名/発表者名
      Takaya R, Nagai J, Piao W. Niisato E, Nakabayashi T, Yamazaki Y, Nakamura F, Yamashita N, Kolattukudy P. Goshima Y, Ohshima T
    • 雑誌名

      Brain Res

      巻: 1655 ページ: 161-167

    • DOI

      10.1016/j.brainres.2016.11..003

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Lanthionine ketimine ester promotes locomotor recovery after spinal cord injury by reducing neuroinflammation and promoting axon growth2017

    • 著者名/発表者名
      Kotaka K, Nagai J, Hensley K, Ohshima T
    • 雑誌名

      BBRC

      巻: 483 ページ: 759-764

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2016.12.069.

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Deletion of Crmp4 attenuates CSPG-induced inhibition of axonal growth and induces nociceptive recovery after spinal cord injury2016

    • 著者名/発表者名
      Nagai J, Takaya R, Piao W, Goshima Y, Ohshima T
    • 雑誌名

      Mol Cell Neurosci

      巻: 74 ページ: 42-48

    • DOI

      10.1016/j.mcn.2016.03.006

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Inhibition of CRMP2 phosphorylation repairs injured CNS by reducing inhibitory response and enhancing sensitivity to neurotrophic factor2016

    • 著者名/発表者名
      Nagai J, Owada K, Kitamura Y, Goshima Y, Ohshima T
    • 雑誌名

      Exp Neurol

      巻: 277 ページ: 283-295

    • DOI

      10.1016/j.expneurol.2016.01.015

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ランチオニンケチミンエステルによる神経炎症抑制と軸索伸長を介した脊髄損傷後の後肢運動機能の向上2016

    • 著者名/発表者名
      小高 謙, Kenneth Hensley, 大島 登志男
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学年会
    • 発表場所
      横は野
    • 年月日
      2016-12-02 – 2016-12-02

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公開日: 2018-01-16  

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