研究課題/領域番号 |
26430050
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
丹治 邦和 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10271800)
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研究分担者 |
若林 孝一 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50240768)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 神経変性疾患 / アルツハイマー病 / パーキンソン病 / タンパク質分解 / レビー小体型認知症 |
研究実績の概要 |
アルファーシヌクレイン(Syn)は正常脳では軸索末端に局在し、タンパク質分解酵素で容易に可溶化される。一方、シヌクレイノパチーでは、Synは不溶性となり、細胞体、軸索および樹状突起内に封入体として存在する。 申請者らは、不溶性Synが軸索末端にも蓄積していることを見出し、さらに正常対照例には認められない高密度の異常Synを検出するシステムを確立した。興味深いことに、ユビキチン様結合タンパク質NUB1はこれらの異常Synの結合分子であることに加え、効率的なタンパク質分解機能を有することを報告した。そこで本研究では、① リン酸化NUB1特異抗体を用いてシヌクレイノパチーの早期の病態をとらえる、② 遺伝子改変マウスを用い、異常Synへの効果および生体内での異常Synの意義を明らかにすることを目的とする。 ①に関して、8種類のリン酸化を模倣する遺伝子変異を導入し、培養細胞レベルで検討を行った。その結果いくつかのセリン残基がリン酸化されると凝集性が増すことが明らかとなった。 今後、リン酸化特異抗体と疾患モデルマウスの利用によりSynへの効果および生体内での異常Synの意義を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ユビキチン様結合タンパク質NUB1のリン酸化を模倣する遺伝子変異を予定通りに作成し、培養細胞レベルで検討を行った。その結果あるセリン残基に修飾が起こることでNUB1の機能が変化した。当初予想していたとおりNUB1はタンパク質修飾によりその性状が変化する結果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
凝集性に影響を与えるセリン残基を同定した。 今後、これらのリン酸化の特異抗体を作成し、病態への関与を明らかにする。 具体的には、レビー小体型認知症のモデルマウスやヒト患者脳を用いて 新たに作成するリン酸化特異抗体の染色を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
キャンペーン期間であったため、予定よりも安く購入できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
請求した助成金と699円を合わせ計画通り使用する。
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