認知症や運動ニューロン疾患を呈する症例の中には、神経細胞やグリア細胞の中にタウ蛋白が蓄積する病気があり、タウオパチーと呼ばれている。近年、運動ニューロン症状を呈する新しいタウオパチーの疾患概念が提唱された。その疾患はグリア細胞内に球状の構造を認めることからglobular glial tauopathy (GGT) と呼ばれている。我々はGGT の封入体には分子が小さく毒性が高いタウオリゴマーが多いことを見出した。タウオパチーでは疾患ごとにタウの分子(モノマーやオリゴマー等)の形態や含まれる量がちがい、そのことがそれぞれの疾患で見られる封入体の形態の違いに反映されていることが考えられた。
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